DTM用 一万円台で買えるモニタースピーカー 2025年6月版

1万円台で買えるDTM入門用のスピーカーをランクしてみました。とりあえずDTMを始めたいといったユーザーの選択肢ですが、中には、ブルートゥース対応でスマホの再生用に普段使いできるものもあります。お値段は手ごろですが、コストパフォーマンスはとても高いものが揃っています。

時々、モニタースピーカーがいらない、という極論を見かけます。「とりあえず」DTMをいじってみよう、何か作ってみよう、というのであれば、確かにヘッドフォンやイヤーフォンで曲をつくることは不可能ではありません。しかし、まともなバランスのとれたサウンドを作るには(それをチェックするには)モニタースピーカーはいずれかの時点で必要になります。

入門用とはいえ、モニタースピーカーに要求される条件は、癖のないフラットな特性だと思いますが、このクラスではサイズ(配置しやすさ)や取り回しのしやすさなども重要なポイントになると思われます。

初心者向けモニターランキング

順位モデル名特徴価格帯
1Edifier ED-MR3ハイレゾ対応・TRSバランス入力・Bluetooth搭載約13,000円
2FOSTEX PM0.3H小型・高解像度・ハイレゾ対応約12,000円
3MACKIE CR3-Xパワフルな音と前面操作性・デザイン性◎約11,000円
4TASCAM VL-S3小音量でも明瞭・最安クラスの入門機約10,000円
5JBL 104-BTW-Y3同軸構造・Bluetooth対応・定位感良好 約18,000円

Edifier ED-MR3

  • TRSバランス入力・USB-C・Bluetooth 5.4対応と接続性が圧倒的
  • アプリでEQ調整やルーム補正も可能
  • ハイレゾ認証取得で音の伸びと透明感が高評価

サウンドチェック

  • 価格帯を超える高音質: 多くのレビューで、その価格からは想像できないほどの高音質が評価されています。特に中高域の再現性が際立っており、ボーカルや弦楽器の音がクリアに聞こえるという声が多く聞かれます。
  • フラットな特性: モニタースピーカーとして、原音を忠実に再現するフラットな音質が特徴です。これにより、音楽制作や映像編集など、音のディテールを確認したい用途に適しています。
  • 低音の質: コンパクトなサイズながら、十分な低音を再生できると評価されています。映画視聴やポップスリスニングでも迫力があり、サブウーファーなしでも満足できるという意見もあります。ただし、重低音を重視するユーザーには、やや物足りなさを感じる場合があるようです。
  • 音の定位感: サウンドの定位感が良好で、音が立体的に感じられる点も好評です。
  • 高音の柔らかさ: ソフトドームツイーターにより、金属的な硬さがなく、柔らかい高音を楽しめるとの声もあります。

その他の特徴

豊富な入力端子: TRSバランス入力、RCA、AUX(3.5mm)に加えて、Bluetooth 5.4にも対応しており、様々なデバイスとの接続が可能です。特にTRSバランス入力はノイズ低減に優れ、ミキサー等との接続に有効とされています。

Bluetoothマルチポイント接続: 複数のデバイスを同時に接続できるマルチポイント接続に対応しており、利便性が高いです。

音質カスタマイズ: 背面にバス・トレブル調整つまみが搭載されており、ユーザーの好みに合わせて音質をチューニングできます。また、専用アプリ「Edifier ConneX」を使用することで、ルーム補正機能や6バンドのグラフィックEQなど、より詳細な音質調整が可能です。


FOSTEX PM0.3H

FOSTEX PM0.3Hは、フォステクスが販売するコンパクトなアクティブスピーカーです。ハイレゾ音源に対応しており、デスクトップでの使用や、テレビ、ゲームなどのパーソナルリスニング環境を充実させる目的で設計されています。

  • 小型ながら40kHzまで再生可能な高域特性
  • 音の色づけが少なく、モニター用途に忠実

サウンドチェック

  • 全域バランスの取れた音: 全体的にフラットで、特定の帯域が強調されることなく、バランスの取れた音質が評価されています。
  • 高い解像度: この価格帯としては驚異的な解像度を持つとされており、楽器の音がクッキリと描写され、濁りや曇りがないと感じるユーザーが多いです。
  • 低音域について: コンパクトなサイズながらも重低音を謳っていますが、ユーザーによっては「低音が弱い」と感じることもあります。特に迫力ある低音を求める場合は、別売りのアクティブサブウーハー「PM-SUBmini2」との組み合わせが強く推奨されています。サブウーハーを追加することで、音の厚みや迫力が格段に増すというレビューが多く見られます。
  • 高音域について: シンバルやハイハット、弦楽器の高音域がやや強めに出るという意見もありますが、耳に痛いほどではなく、許容範囲とするレビューが多いです。
  • モニター的特性: モニタースピーカーとしても使用を想定しているため、癖の少ない素直な音色で、様々なジャンルの音楽と相性が良いとされています。

その他の特徴

コンパクトなサイズ: 幅100mm、高さ185mm、奥行き130mmという非常にコンパクトなサイズで、デスクトップやテレビの横など、限られたスペースにも設置しやすいのが大きな魅力です。

2ウェイ構成: 7.5cm口径のグラスファイバー振動板ウーハーと1.9cm口径のシルクドームツィーターによる2ウェイ構成で、バランスの取れた音を再生します。

ハイレゾ対応: 情報量の多いハイレゾ音源を余すことなく再現できるよう設計されています。

木製エンクロージャー: 自然な響きを生み出す木製エンクロージャーを採用し、リアバスレフ方式によってコンパクトながら重低音も実現しています。

アクティブスピーカー: アンプ内蔵型なので、別途アンプを用意する必要がなく、PCやスマホ、DAPなどと直接接続して使用できます。


MACKIE CR3-X

MACKIE CR3-Xは、その手頃な価格とコンパクトなサイズ感から、DTM初心者やPCでの音楽鑑賞、ゲーム用途など、幅広いユーザーに人気の高いモニタースピーカーです。以下に、その特徴とレビューをまとめました。

  • 50W出力で迫力ある音と明瞭な中高域
  • 前面にボリュームとヘッドホン端子があり操作性◎
  • ややリスニング寄りの音だが、入門には十分

サウンドチェック

基本的には全体的なバランスのよさが評価されているようです。

  • 低音が「ぼわつく」ことなく、引き締まっていると評価されています。
  • 高音は「伸びが良い」「スピード感がある」とされ、耳に刺さるような不快な響きがないチューニングが施されています。
  • 全体的にバランスが取れており、特定の音域が強調されすぎないクリアなサウンドが特徴です。
  • 「価格に見合わないほど全体的に良い」という意見が多く、コストパフォーマンスの高さが音質面でも際立っています。

モニターとしての性能:

  • 音の「定位感(方向)」が分かりやすく、ミックスや編集作業において音源の位置を把握しやすいとされています。
  • 解像度も高く、細かな音まで聞き取れるため、モニター用途として十分な合格点が出せると評価されています。
  • 「ボーカルの声がリアル」という感想もあり、音源の細部まで表現する能力が伺えます。

音量と音域の印象:

  • 十分な音量が出せるとされており、音の大きさに関して問題はないとされています。
  • 音量を上げると、全体の音域バランスがより良好になると感じるユーザーもいます。
  • 一方で、音量を少な目でモニターする場合、中域がやや弱く感じられるという意見も一部で見られます。
  • 低音が少し出すぎるように感じるという意見もあります。ただし、音量を上げるとバランスが良くなるという声もあります。

旧モデルからの進化:

旧モデルのCR3と比較して、CR3-Xは「高域の伸びが良くリファインされている」とされており、音質が向上している点が強調されています。

リスニング用途:

リスニング用としても、「低音と高音も出るので☆5の音質」という評価もあり、音楽鑑賞においても満足度の高いサウンドを提供します。


TASCAM VL-S3

ホームスタジオ向けのコンパクトなパワードモニタースピーカーです。3インチウーハーと0.5インチツイーター、そして背面のバスレフポートを備えた2ウェイシステムで、80Hz~22kHzの周波数応答を実現しています。

  • 非常にコンパクトで小音量でも明瞭
  • 最安クラスながらDTM用途に耐える音質
  • RCAとステレオミニ入力のみだが、とにかく安く始めたい人に◎

コンパクトなサイズ: デスクトップや狭いスペースにも設置しやすく、PCの横やモニターの下にも収まるサイズ感が評価されています。
価格に対する音質の良さ(コストパフォーマンス): エントリーモデルとしては十分な音質で、価格帯を考えると非常にコストパフォーマンスが高いという意見が多く見られます。

Bluetoothモデル(VL-S3BT)の利便性: VL-S3BTではBluetooth接続が可能で、スマホなどからのワイヤレス再生が手軽にできる点が好評です。DTM環境だけでなく、普段使いのスピーカーとしても活用できるという声もあります。

サウンドチェック

  • クリアでフラットな音質:
    モニター用途として、音の色付けが少なく、クリアでフラットな鳴り方が特徴とされています。特にボーカルがしっかり聞こえる中音域や、ツヤのある高音域が良いと評価されています。
  • 定位感の良さ:
    音の定位感が良く、ミックス時のバランス確認に適しているという声もあります。
  • 低音の適度な量感:
    低音過多ではなく、程よく低音が出ているため、現代のミックスに合った音作りがしやすいという意見があります。重低音までは出ませんが、その分クリアさを保っています。
    「85 Hz付近での低域キレ」は同価格帯の小型モニターで群を抜いている、との意見もあります。
  • 重低音の不足:
    コンパクトなサイズのため、重低音と呼ばれる深い音域までは再現しきれません。深い低音を求める場合は、上位モデルの検討が必要です。
  • 音の広がりや包まれ感: 価格帯やサイズからすると健闘していますが、より広い音場や包み込むような音質を求める場合は、物足りなさを感じるかもしれません。

その他の特徴

コンパクト&堅牢な筐体

  • 110×170×138 mmのミニマムサイズで狭いデスクにもジャストフィット
  • フロント5 mm厚のメタルパネル採用。ガシッとしたモニタースピーカーらしい武骨デザイン

2ウェイ・アクティブ構成

  • 14 W+14 WのClass Dアンプ内蔵
  • 周波数特性80 Hz~22 kHzで中域の明瞭さと高域の伸びを重視

JBL 104-BTW-Y3

JBL 104-BTW-Y3は、JBL Professionalからリリースされているパワード2-Wayフルレンジ・スタジオモニター「104-Y3」にBluetooth機能を追加したモデルです。コンパクトなサイズながら、プロフェッショナルな用途にも対応できる音質を備えていますが、モニター以外に家庭での音楽鑑賞用としても使いやすさを両立している点が大きな特徴です。

サウンドチェック

  • 価格帯を考えると非常に高い音質で、コストパフォーマンスが良いと評価されています。
  • 低音の量感がありながら、引き締まったクリアな低音。BOSEのような無理やり伸ばした低音ではない、自然な響き。
  • ボーカルのリアルさ、中高音の解像度が特に優れている。
  • 同軸ユニットによる音像定位の良さ、音の一体感がある。
  • 小音量でもバランスが崩れず、クリアな音質を維持できる。
  • 映画や音楽鑑賞、動画編集、DTMのサブモニターとしても十分なクオリティ。
  • 「完全にはフラットではない」「高域にややザラッとした印象」という意見もありますが、価格とサイズを考慮すれば十分なレベル。

否定的な意見としては

  • よりハイエンドなモニターと比較すると、レンジ感や音の抜け、繊細さにおいては譲る部分もあるという評価もあります。特にクラシックなどの小編成の楽曲では、生彩感が足りないと感じる人もいるようです。
  • 中域が前に出すぎていると感じるジャンルもあるという意見もあります。

総評

JBL 104-BTW-Y3は、「コンパクトなサイズで本格的なサウンドを楽しみたい」「PCスピーカーからのグレードアップを考えている」「音楽制作のサブモニターとしても使えるものが欲しい」といったニーズに非常にマッチするスピーカーです。特にデスクトップ環境での使用において、その同軸構造とサイズ感は大きなアドバンテージとなります。

Bluetooth対応により、手軽に高音質なサウンドを楽しめる点も魅力で、普段使いからクリエイティブな作業まで幅広く活躍する、非常にコストパフォーマンスの高い製品と言えるでしょう。ただし、起動音の大きさやスピーカー端子の取り扱いには多少注意が必要です。

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