バックビート研究

若い世代、例えばZ世代は物心ついた時から、デジタル打ち込みのジャストビートばかりを聴いてきたはずで、特にマニアックに古い洋楽を漁っているような子たちは別として、大多数はグルーブというものを体感したことがないのではないのではないかと想像しています。

バンドで何らかの楽器をやっている人間にとって、特に洋楽系、特にジャズ・ブルースをルーツにするジャンルをやっていれば、グルーブは死活問題にも近い深刻な問題である上に、欧米の洋楽に対するどうしようもない劣等感の表出先でした。少なくとも昔はそうだった。この深刻な劣等感はデジタルジャストビートの時代になって以降、なんとなく忘れられていたような気がしないでもない。

それが、今更のように「バックビート」が人口に膾炙するようになったということに感心すると同時に、プレイヤーの人たちが中心になるんだろうが、きちんと意味のある動きになってくれることを密かに期待して、自分なりのグルーブとバックビートを再考してみよう、などと思ったわけです。