ジェフ・ベックのデビュー50周年を記念して、2016年8月に行われたHollywood Bowlでのコンサートを納めた映像作品。この後に行われたワールドツアーでは日本でも公演を行い、2017年の1月から2月にかけて日本全国を回った。ベックとしてはこれが結局最後の日本ツアーとなった。
メンバー
このHollywood Bowlでのコンサート、リズムセクションは後のワールドツアーの時と同様だが、ゲストがうらやましくなるほど豪華だった。
Guitar – Jeff Beck
Vocals, Guitar – Billy Gibbons
Rhythm Guitar – Carmen Vandenberg
Bass – Rhonda Smith
Drums – Jonathan Joseph
これが基本メンバーで以下はゲストとなる。
Vocals, Guitar – Buddy Guy
Synthesizer – Jan Hammer
Vocals – Beth Hart
Vocals – Jimmy Hall
Vocals – Rosie Bones
Vocals – Steven Tyler
Vocals – Todd O’Keefe
ベックとのコラボでは古くからの馴染みであるヤン・ハマーを始め、ZZトップのビリー・ギボンズやスティーブン・タイラー、そして挙句はバディ・ガイまで引っ張り出してしまった。殊にLet Me Love Youにおけるバディ・ガイとのギターの掛け合いは、乱暴で無骨ではあるがスリリングで胸が熱い。50周年を祝うにふさわしい豪華なステージとなっている。
アンコールでは、当時亡くなったばかりだったPrinceを偲んで「Purple Rain」が演奏される。こちらも胸が熱い。かつてPrinceと命運を共にしたベーシストのRhonda Smithの思いはいかばかりかと思わせる。
ジェフ・ベックのギターサウンドは、モジュレーションというかデチューンがかつてないほど強くかかった癖の強いものになっている。これは好き嫌いが分かれるかもしれないが、御大のサウンドにケチをつけるような奴はいないであろうと想像する。あるいはこの時期=最晩年のプレイを「円熟」ととるか「衰え」ととるかは分かれるかもしれない。個人的な意見を付け添えるなら、この人は最後の最後まで演奏者としての前進をやめなかった人だった、と思っている。
セットリスト
1 The Revolution Will Be Televised
2 Over Under Sideways Down
3 Heart Full Of Soul
4 For Your Love
5 Beck’s Bolero
6 Rice Pudding / Morning Dew
7 Freeway Jam
8 You Never Know
9 ‘Cause We’ve Ended As Lovers
10 Star Cycle
11 Blue Wind
12 Big Block
13 I’d Rather Go Blind
14 Let Me Love You
15 Live In The Dark
16 Scared For The Children
17 Rough Boy
18 Train Kept A-Rollin’
19 Shapes Of Things
20 A Day In The Life
21 Purple Rain
このコンサートの模様はCDとしてもリリースされ、ブルーレイ/DVDでもリリースされていたが現在は入手がやや難しくなっている。現在は輸入盤ブルーレイで観るか、AmazonのPrime Videoで観ることができる。