扱いに困るアーティスト

若い音楽ファンによる「扱いに困っている感があるアーティスト」という記事を偶然読んだ。

音楽シーンで高く評価されて知名度が高いアーティストを(若い音楽ファンが)聴いてみたら、全然ぴんとこなくて扱いに困る、という類の話。そこで扱いに困るアーティストとしてランキングされているのが、

  • ビートルズ
  • ストーンズ
  • ジミ・ヘンドリックス

扱いに困る理由を乱暴に言ってしまうと、サウンドが古くてしょぼいのでとても聴いていられない。という極めて正直なカミングアウト。今度はこちらが扱いに困ってしまう。

要するにこれ裏をかえせば、普段から聴きやすくて気持ちのいい音楽だけ聴いてます、という告白なわけで、こういう聴き方をする人、こういう聴き方しかできない人のことを普通は音楽ファンとは呼ばないと思うのだが、どうでしょう。

やや好意的な解釈をすれば、このリストのアーティスト達、60年代末においては実験的と呼べるサウンドを何かとお試しした人たちではあるので、確かに現代の感覚からすれば、かなりいかれた=変なサウンドではある。現代のゴージャスで心地よいサウンドに慣れ切った耳がひきつけを起こすのは、理解できないわけではない。

この人の記事を読んでいると、どうもYouTuberの「みのミュージック」=みのさんを音楽ガイダンスとして見ているらしい。そのみのさんが、「理解するのに時間がかかった音楽」という企画で、ディアンジェロ、レイディオヘッド、そしてロバート・ジョンソンを挙げていたのだが、これは音楽ファンとして「理解できる」。

みのさんの場合これらのアーティストを前にして、何度も聴き返したり、あるいは調べたりといった努力の末に、最終的に「理解」の境地にたどりつくわけ。因みにロバート・ジョンソンに関しては、本場で本物のブルースマンのギター弾き語りを目の当たりにしたことで、一気にロバート・ジョンソンが理解できたそうです。

こういうのを音楽ファンと呼ぶのだよね。普通。若い音楽ファンにはみのさんYouTubeで情報収集するだけはなく、聴き方も見習って欲しい、などと考えたりした。

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