1973年 ビルボード100とその時代

1973年のビルボード100で1位になった曲のリストを眺めながら、その年の世界と日本の出来事とミュージックシーンを振り返ります。

《連載目次》

1973年。パリ和平協定によってベトナム戦争が事実上の終結を迎えました。アメリカではウォーターゲート事件を巡ってニクソン大統領に対する追求が進みますが、その背景には中ソとのデタントを重視し過ぎるとの批判、国際通貨体制を崩壊させたことに対する批判、パリ和平協定後もサイゴン政権の維持に固執したことに対する批判があったといいます。

もう一つの大きな事件は第四次中東戦争に石油供給の危機に端を発するオイルショック・モノ不足です。石油価格が高騰し先進各国は不況とインフレで大打撃を受けました。日本でも石油関連製品の買占めなどにより大混乱が生じました。

1973年のビルボードHOT100による1位のシングル一覧

年間チャートの1位はトニー・オーランド&ドーンの「幸せの黄色いリボン」

アーティスト日付
うつろな愛
You’re So Vain
カーリー・サイモン1/6
1/13
1/20
迷信
Superstition
スティーヴィー・ワンダー1/27
クロコダイル・ロック
Crocodile Rock
エルトン・ジョン2/3
2/10
2/17
やさしく歌って
Killing Me Softly with His Song
ロバータ・フラック2/24
3/3
3/10
3/17
ラヴ・トレイン
Love Train
オージェイズ3/24
やさしく歌って
Killing Me Softly with His Song
ロバータ・フラック3/31
ジョージアの灯は消えて
The Night the Lights Went Out in Georgia
ヴィッキー・ローレンス4/7
4/14
幸せの黄色いリボン
Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree
トニー・オーランド&ドーン4/21
4/28
5/5
5/12
サンシャイン
You Are the Sunshine of My Life
スティーヴィー・ワンダー5/19
フランケンシュタイン
Frankenstein
エドガー・ウィンター・グループ5/26
マイ・ラヴ
My Love
ポール・マッカートニー&ウイングス6/2
6/9
6/16
6/23
ギヴ・ミー・ラヴ
Give Me Love (Give Me Peace on Earth)
ジョージ・ハリスン6/30
ラウンド・イン・サークルズ
Will It Go Round in Circles
ビリー・プレストン7/7
7/14
リロイ・ブラウンは悪い奴
Bad, Bad Leroy Brown
ジム・クロウチ7/21
7/28
モーニング・アフター
The Morning After
モーリン・マクガヴァン8/4
8/11
タッチ・ミー・イン・ザ・モーニング
Touch Me in the Morning
ダイアナ・ロス8/18
ブラザー・ルイ
Brother Louie
ストーリーズ8/25
9/1
レッツ・ゲット・イット・オン
Let’s Get It On
マーヴィン・ゲイ9/8
デルタの夜明け
Delta Dawn
ヘレン・レディ9/15
レッツ・ゲット・イット・オン
Let’s Get It On
マーヴィン・ゲイ9/22
アメリカン・バンド
We’re an American Band
グランド・ファンク9/29
ハーフ・ブリード
Half-Breed
シェール10/6
10/13
悲しみのアンジー
Angie
ローリング・ストーンズ10/20
夜汽車よ! ジョージアへ
Midnight Train to Georgia
グラディス・ナイト&ザ・ピップス10/27
11/3
キープ・オン・トラッキン
Keep on Truckin’
エディ・ケンドリックス11/10
11/17
想い出のフォトグラフ
Photograph
リンゴ・スター11/24
トップ・オブ・ザ・ワールド
Top of the World
カーペンターズ12/1
12/8
朝やけの少女
The Most Beautiful Girl
チャーリー・リッチ12/15
12/22
タイム・イン・ア・ボトル
Time in a Bottle
ジム・クロウチ12/29

ロック系アルバムリリース

  • ジョン・レノン 『ヌートピア宣言』
  • ニール・ヤング 『タイム・フェイズ・アウェイ』
  • ポール・マッカートニー 『レッド・ローズ・スピードウェイ』
  • ローリング・ストーンズ 『山羊の頭のスープ』
  • グランド・ファンク・レイルロード 『アメリカン・バンド』
  • カーティス・メイフィールド 『バック・トゥ・ザ・ワールド』
  • スライ&ザ・ファミリー・ストーン 『フレッシュ』
  • マーヴィン・ゲイ 『レッツ・ゲット・イット・オン』
  • ザ・バンド 『ロック・オブ・エイジズ』
  • ピンク・フロイド 『狂気』
  • オールマン・ブラザーズ・バンド 『ブラザーズ&シスターズ』
  • ドクター・ジョン 『イン・ザ・ライト・プレイス』
  • リトル・フィート 『ディキシー・チキン』
  • ポール・サイモン 『ひとりごと』
  • アート・ガーファンクル 『天使の歌声』
  • ルー・リード 『ベルリン』
  • ポール・バターフィールド 『ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ』
  • ジャクソン・ブラウン 『フォー・エヴリマン』
  • ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ 『キャッチ・ア・ファイア』
  • マリア・マルダー 『オールド・タイム・レイディ』
  • グラム・パーソンズ 『GP』
  • ZZトップ 『トレス・オンブレス』
  • デヴィッド・ボウイ 『ピンナップス』『アラジン・セイン』
  • アリス・クーパー 『ビリオン・ダラー・ベイビーズ』
  • ベック・ボガート & アピス 『ベック・ボガート & アピス・ライヴ・イン・ジャパン』
  • ボビー・ブランド 『ヒズ・カリフォルニア・アルバム』
  • ブラック・サバス 『血まみれの安息日』
  • ストゥージズ 『ロウ・パワー』
  • ジーン・クラーク 『ロードマスター』
  • ダグ・サーム 『ダグ・サーム・アンド・バンド』
  • ナザレス 『威光そして栄誉』
  • マイク・オールドフィールド 『チューブラー・ベルズ』

クロスオーバー・フュージョン系アルバムリリース

  • ハービー・ハンコック 『ヘッド・ハンターズ』
  • マハヴィシュヌ・オーケストラ 『火の鳥』
  • デオダート 『プレリュード(ツァラトゥストラはかく語りき)』『デオダート2』『ドナートデオダート』

1973年の武道館公演

ディープ・パープルは前年の初来日時のライブアルバムが好評なことに気をよくしての2度目の来日公演を行いました。ところが初日の武道館公演では、客の「ノリ」が悪いことを理由にメンバーがアンコールを拒絶したことから一部観客が暴動を起こす、という事件が伝えられています。

サンタナも初来日を果たしており、この時の模様はライブアルバム『ロータスの伝説』に収められ、こちらも名盤扱いになっています。

2月7日 – ジェームス・ブラウン
4月9日・10日 – シカゴ
5月2日 – ジャクソン5
5月14日 – ジェフ・ベック
6月25日 – ディープ・パープル
7月6日・7日 – サンタナ
10月25日 – T・レックス

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