Oye Como Va~歌詞はどういう意味?(ニューヨリカン、ティト・プエンテ)

サンタナの”Oye Como va” 「僕のリズムを聞いとくれ」。

この曲スペイン語の歌詞はたった2行の繰り返しなので調べてみると、ニュアンスとしては「僕のリズムはどうよ? 貴女も楽しんでおくれ」みたいな感じのようです。

因みに《貴女》の部分が”Mulata(ムラータ)”なのですが、これは”Mulato”の女性形になります。
“Mulato(ムラート)”はもともとヨーロッパ系白人とアフリカ系黒人のハーフを指していたのですが、現在では両方の系統が混じっている人々全体を指すようになった、とのことです。Mulato(Mulata)は、中米、キューバ、プエルトリコなどカリブ海の国々にとても多くいます。それで言うとバラク・オバマも”Mulato”です。この”Mulato”という言い方、元来は強い差別のニュアンスがあるため、北米では使用しない方がいい、という記述も散見するのですが、サンタナがあっけらかんと歌っているのを聞くと別に気にしなくていいのでしょうか?


この曲サンタナの70年代のヒットであまりにも有名になりましたが、元々はティト・プエンテの曲で、彼の1962年発売のアルバム『El Rey Bravo』に収められていました。
ティト・プエンテ(Tito Puente、1923年4月20日 – 2000年5月31日)は、ニューヨーク出身のラテン系ミュージシャンで、いわゆる Newyorican(ニューヨリカン)=ニューヨークとその近郊で育ったプエルトリコ系アメリカ人です。ティンバレス、ヴィブラフォン、キーボードを演奏し作・編曲家でもあります。そのキャリアは1940年代からはじまり最初のリーダーアルバムが出たのは1951年、それからなくなる直前まで大ベテランとして活躍しました。サンタナは”Oye Como Va”の他にも”Para los Rumberos”もカバーしています(アルバムSantanaⅢ所収)。

サンタナのカバーヴァージョンは、1970年9月発売の2ndアルバム『天の守護人』に収録されました。このアルバムの「Black Magic Woman」に続く第2弾シングルとして1971年2月に発売。邦題は「僕のリズムを聞いとくれ」で、B面は「Samba Pa Ti(君に捧げるサンバ)」でした。ビルボードでは最高13位となりました。
「僕のリズムを聞いとくれ」という邦題は今も昔もやたらとネタになるのですが、シングルは日本でもかなり売れたはずです。このヴァージョンは2001年になってからラテン・グラミー賞の殿堂入り、2002年にはグラミー賞の殿堂入りを果たしています。
この曲のライブ・ヴァージョンは。『ロータスの伝説』(1974年)、”Sacred Fire:Santana Live in South America”(1993年)に収められています。

ティト・プエンテは最初にサンタナがこの曲をカバーした時には「面白くない、腹立たしい」と感じていたらしいのですが、やがて「印税がたっぷり入ってきたら嬉しくなった。」といかにも彼らしい冗談交じりで語っています。

1994年にはティト・プエンテが青山のブルーノート東京で来日公演を行っているのですが、私はこの時の公演を見ることができました。2000年には亡くなってしまうので今から思えば貴重なライブです。「みんなからサンタナの曲やってくれって言われて困ってんだよ」という定番ジョークをかましながら「Oye Como Va」を演ってました。ひたすらに「ひょうきん」でサービス精神が有り余る面白いおっさんでした。ティンパレスという楽器を表舞台に引っ張り出したのは、この人ティト・プエンテとシーラ・Eでしょうか。ついでに日本では森高千里!?(因みに森高はOya Como Vaをカバーしています)。

さてサンタナとティト・プエンテを巡って相関するアーティスト達をルーツグラフで見てみます。
このグラフはこちらで実際に触ってみることができます。サンタナとその周辺のアーティスト達について、音楽的な相関関係や音楽的なルーツを確かめることができます。

ルーツグラフについての説明
PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です