コーネル・デュプリー~ジミ・ヘンドリックスと共に

Cornell Dupree、1942年12月19日 – 2011年5月8日

スタッフやスティーブ・ガッドのガッドギャングでその名を覚えている人も多いかもしれません。

 キング・カーティスと同郷のよしみでバンドThe King Pinsに参加。その後アトランティックレコードのセッションギタリストになります。アレサ・フランクリン、ダニー・ハサウェイ、ロバータ・フラックを始めとする数々のアーティストの名盤に参加しています。そのキャリアの全貌はhttps://en.wikipedia.org/wiki/Cornell_Dupree#Discographyを見ていただきたい。
 キング・カーティスのバンドでは無名時代のジミ・ヘンドリックスと一緒にギターを弾いています。ヘンドリックスの伝記によれば、The King Pinsに一時的に在籍したヘンドリックスは、デュプリーと大変親しくしていたようです。
 当時のヘンドリックスは全くの無名で、ギグのない時はギターを質に入れ、ギグが入るとあわてて出すというくらいに苦労していたらしいです。
 ヘンドリックスのギタースタイルには明らかなデュプリーの影響が見られます。例えば有名なLittle Wingのイントロはデュプリーの手癖の影響と断言してOKでしょう。一言添えておけば、この下済み時代の経験が彼のブルージーでソウルフルなセンスの下敷きになっているのだと思います。

 先にも述べたように、デュプリーは非常に多くのアルバム、それも名盤にセッションメンバーとして参加していますが、自身のソロアルバムもリリースしています。


ティージン【アナログ盤】 [ コーネル・デュプリー ]

これは知る人ぞ知るという名盤で、1974年リリースの初リーダー作、私の愛聴盤でもあります。
リズムセクションは基本的に
コーネル・デュプリー(g)
リチャード・ティー(p)
チャック・レイニー(b)
バーナード・プリティ・パーディ(ds)
ラルフ・マクドナルド(perc)
その他に
ジョン・ファディス, ジョー・ニューマン(tp)
デヴィッド・ニューマン, セルダン・パウエル(ts)
トレヴァー・ケーラー(Baritone Sax)

 このアルバムの中でも”How Long Will It Last”は、Stuffの1stアルバムにも入っていたエリック・ゲイルの曲ですが、個人的にはStuffでのテイクよりこちらの方が好きです。
ゴードン・エドワーズ(b) + スティーブ・ガッド(ds)よりもチャック・レイニー(b) + バーナード・パーディ(ds)の方が自分のツボではあります。

 この人のプレイというのは「渋すぎ」のためか、ギターを弾かない人に聴かせても困った顔をされるのですが、Stuffがちょっと無理という人でも、”Teesin'”はいけると思うのです。いぶし銀のギタープレイを是非聴いてみて欲しい、と思います。

 コーネル・デュプリーは2011年に亡くなりました。まだ68歳でした。死因はCOPDだったそうで、そう言えばこの人どんな時でもパイプをくわえて煙をくゆらせていましたね。日本にも何度か来ていましたので一度でもライブを観ておけば、と悔やまれます。

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